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新刊紹介

9月・10月新刊 >>> 2008/10/04
 
告知


▼単行本・ 詩集

告知/こくち


境野 勝詩集

[さかいのまさる(1937〜)]
定価 本体1905円+税=2000円
装丁・君嶋真理子
帯・新井豊美
B6判フランス装
64頁 
2008.09.27刊行


ISBN978-4-7814-0074-7 C0092 \1905E

◆第二詩集
 境野氏には、かつて亡き夫人に捧げられた哀悼の句集『一羽』があるが、今回の詩集『告知』では、亡き人への氏のひたむきなおもいがうすらぐことなく、より透明に深められているのが感じられる。「私たちの日々は/気が遠くなるほど長く/辛い時間だと思っていたが/過ぎ去ってみれば/たいていは/一瞬のことだった」……愛する人とともに在った一瞬がこれほどに哀切に、しかも明晰な深度を持って語られた言葉を私は知らない。

(帯・新井豊美より)


序詩 記憶

エレベーターに同乗した
二歳ぐらいの男の子
はにかみながら笑いかけてくれた
君に
一九五九年の青空の記憶を
贈りたいのだが


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夜明


▼単行本・ 句集

夜明/よあけ


しなだしん句集

[しなだしん(1962〜)「青山」「田」所属]
定価 本体2476円+税=2600円
装丁・君嶋真理子
序・山崎ひさを
4/6判上製カバー装
212頁 
2008.09.15刊行


ISBN978-4-7814-0060-0 C0092 \2476E

◆第一句集
作者独自の感性で対象を切りとり、作者独自の手法をもって表現することに努めている。あくまでもしなだしんの俳句を徹底的に追求してやまない姿勢である。

(山崎ひさを)

◇収録作より
驟雨過ぐカーラジオから好きな曲
赤べこの頭こくりと寒波来ぬ
橋かけて箱庭のそらうまれけり
雪の夜のからだるの字にして眠る
下の田へ水ゆきとどく端午かな
水よりもみづみづしくて青蛙
軍艦の片側ばかり見て暑し
かげろふの舌先にまだ何も来ず
人容れて藤棚はひと運ばぬ舟
沖は晴ブーゲンビリアずぶ濡れに
没しはじめしうすらひの翼かな
夏蝶やペットボトルに水平線


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朝餐


▼シリーズ・ 句集

朝餐/ちょうさん


安藤恭子句集

[あんどうきょうこ「椋」(1959〜)]
定価 本体2400円+税=2520円
装丁・君嶋真理子
序・石田郷子
栞・大木あまり
4/6判並製小口折表紙
232頁 
2008.09.15刊行

ISBN978-4-7814-0061-7 C0092 \2400E

◆精鋭俳句叢書serie de la fleur
この雪を蹄あるもの通るらし

ただ一つのことを即物的に、そして率直に詠み止める、という写生の行き方を、安藤さんは、俳句を始めた瞬間から了解していたのに違いない。

(序・石田郷子)

◇自選十五句より
氷よりはなれて春の氷かな
その先の厩舎に用や犬ふぐり
水盤にあふるる雨や恋の猫
雛の箱空になりしは重ねられ
花びらのかかりし田螺乾きをり
ここよりの緑まぶしき囲炉裏端
烏賊洗ふからだの中に手を入れて
テーブルのがらんと枇杷の影ありて
朝食に蜂のとまつて夏の山
秋刀魚焼く人をひとりにしてしまふ



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清拭


▼単行本・ 句集

清拭/せいしき


高橋白崔句集

[たかはしはくさい「椋」所属(1951〜)]
定価 本体2190円+税=2300円
装丁・君嶋真理子
序・石田郷子
4/6判並製ソフトカバー
202頁 
2008.09.01刊行

ISBN978-4-7814-0062-4 C0092 \2190E

◆ 第一句集
清拭や背中に冬のひろがれる

どんな世の中が来ても、私達は俳句の目を通して、日常の中に季節を見付けられる。季節の中に自分を置くことが出来る。季節の中に私達の生がある。
  『清拭』は、そのことを信ずるに足る一巻であると思う。 

(序・石田郷子)

◇俳句会「二火」衆による選十五句
昏みたる隅へ隅へと豆を撒く
斑鳩の野を鞣したる霞かな
馬酔木咲く正倉院の高構へ
萎みたる風船壁を伝ひ下る
水馬が支ふる空の青さかな
ひと突きの光の束のところてん
括られて紐のくひ込む夏氷
雲の峯ただひたすらの押し相撲
新涼に牛の尻尾はよく動く
磯菊や風の名をもつ閑漁村


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熱気球


▼単行本・ 句集

熱気球/ねつききゅう


中島砂穂句集

[なかじますなお「船団の会」(1947〜)]
定価 本体2476円+税=2600円
装丁・君嶋真理子
帯・坪内稔典
4/6判上製カバー装
148頁 
2008.09.25刊行

ISBN978-4-7814-0056-3 C0092 \2476E

◆ 第一句集
ハラハラしたり、ドキドキしたり。
これが句集をめくるときの醍醐味だ。
中島砂穂のこの句集はまさにその醍醐味そのもの。
実はこの数年、この人は私の屈強のライバルである。
砂穂の句に私はハラハラ、ドキドキしているのだ。    

(帯・坪内稔典)

◇坪内稔典の10撰
海開き貝たち持場につきなさい
枇杷熟れている包帯が緩んでる
後の月どの靴先も濡れている
秋晴れて一万余日君といて
ふっくりと空豆ふっくりとブッダの耳
妹みたいなんてバカヤロ砂日傘
柿種の一つがわたし百年後
鮫が海かじってリアス式海岸
口開ける浅蜊もノートパソコンも
八月の鯨墳墓のごと浮上



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草に花


▼シリーズ・ 句集

草に花/くさにはな


川島 葵句集

[かわしまあおい「椋」所属]
定価 本体2400円+税=2520円
装丁・君嶋真理子
序・石田郷子
栞・千葉晧史
4/6判並製小口折表紙
194頁 
2008.09.28刊行

ISBN978-4-7814-0065-5 C0092 \2400E

◆ 精鋭俳句叢書serie de la lune
動物は一人で住んで蓼の花

植物の、生きものの息づかいを感じ、人々の心の有りように目を向けるとき、葵さんは静かに腰をおろし、身の内の野性に耳を澄ませているのではないか。

(序・石田郷子)

◇自選一五句より
凩や子供が子供呼び集め
我もまたハチ公で待つ秋暑かな
ひとつかみ秣をやりて秋曇
龍淵に潜む楠の葉きらきらと
冬麗の深さに猫を埋めにけり
のんきものと呼ばるる餅を裏返す
寒ゆるむお湯が沸くのに眠たくて
雀らの一日低き梅の花
耕しのときをり跪きにけり
永き日の二階に辞書を引きにゆく



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此君


▼シリーズ・ 句集

此君/しくん


日原 傳句集

[ひはらつたえ「天為」同人]
定価 本体2400円+税=2520円
装丁・君嶋真理子
栞・大木あまり
4/6判上製カバー装
200頁 
2008.09.27刊行

ISBN978-4-7814-0078-5 C0092 \2400E

◆ 精鋭俳句叢書serie de la lune
梨食うて心すずしくなりにけり

『此君』は総じて涼やかな句が多い。全篇を涼風が吹いている感じがする。その涼しさの源は、この梨の句だったのだ。「心すずしく」は本句集のテーマであり、作者の思想でもあると思う。

(栞・大木あまり)

◇自選一五句より
まんさくは頬刺す風の中の花
てのひらの集まつてくる踊かな
鹿散つて僧の行列見てをりぬ
外套は神話の如く吊られけり
葉桜のころの奉納相撲かな
難しく幹にとまりて囀れり
長城の切れ端を目に秋耕す
蟋蟀の跳べば親しき黄河かな
空飛んで来たる顔せず浮寝鳥
いきほひの出て真直ぐに蛇泳ぐ


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蝶生る


▼単行本・ 句集

蝶生る/ちょううまる


辻内京子句集

[つじうちきょうこ(1959〜)「鷹」同人]
定価 本体2190円+税=2300円
装丁・君嶋真理子
序・小川軽舟
4/6判ソフトカバー装
176頁 
2008.08.29刊行

ISBN978-4-7814-0047-1 C0092 \2476E

◆ 第一句集
「大切な人の掌蝶生る」辻内さんはたぶん、ピアノでは果たせない表現の可能性を俳句に見出したのだと思う。この句にも、ピアニッシモよりさらに小さな響きを聞き取ることができるだろう。それは、世界を見つめる辻内さんのポエジーの飛び立つ響きに他ならない。

(小川軽舟)

◇作品紹介
硝子戸は海の入口春の暮
噴水の向かうの事件見てゐたり
炎昼の階段掴むところなし
箱の蓋開いてゐるなり枯野原
愛叫ぶロツクや秋の金魚飢う
ゆふぐれの雲の色なりしやぼん玉
父の日の郵便局の暮色かな
石よりも岩しづかなりくろあげは
水指の蓋開いてゐる桜かな
大切な人の掌蝶生る



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芭蕉の一句


▼入門書・ 句集

芭蕉の一句/ばしょうのいっく


高柳克弘

[たかやなぎかつひろ(1980〜)「鷹」編集長]
定価 本体1714円+税=1800円
装丁・君嶋真理子
序・綾部仁喜
4/6判変形並製ソフトカバー
240頁 
2008.09.21刊行

ISBN978-4-7814-744-5 C0092 \1714E

◆365日入門シリーズ
詩情の開拓者、芭蕉に迫る!
芭蕉の開拓した詩情は、時代や価値観の枠を越え、人の心の深いところにまで届き、感動を与える。本書が、その詩情の一端でも読者に伝えることができていたら、幸いである。

(あとがきに代えてより)

十月二十三日
この道や行く人なしに秋の暮  『其便』

「所思」と前書。果てしなく伸びたこの一本道、一人として通う者もないこの道に対するとき、秋の暮の寂寥はますます深まっていく、というのである。「道」には、人生そのもの、そして芸道としての道の意味も含まれる。暗鬱な印象の句だが、「この道や」というきっぱりした上五には、むしろ孤高に生きる矜持が感じられはしないか。この句に触発され、蕪村は「門を出て故人に逢ぬ秋の暮」と詠い、高野素十は「まつすぐの道に出でけり秋の暮」と詠んだ。芭蕉の「道」が、長い時間を貫いて、現代俳句まで続いていることの証だ。

季語=秋の暮(秋)



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色の一句


▼入門書・ 句集

色の一句/いろのいっく


片山由美子

[かたやまゆみこ(1952〜)「狩」同人]
定価 本体1714円+税=1800円
装丁・君嶋真理子
序・綾部仁喜
4/6判変形並製ソフトカバー
236頁 
2008.09.15刊行

ISBN978-4-7814-0070-9 C0092 \1714E

◆365日入門シリーズ
色をテーマ宇に俳句を一日一句というかたちで365句選び、鑑賞したもの。著者・片山由美子の鑑賞をとおして作品にひそむ色が鮮やかに輝きだす。巻末に季語索引、俳句に使われる色の表現、俳句作者索引を収録し、俳句初心者のための手引き書としても活用できる一冊。

九月十二日
水澄みて金閣の金さしにけり      阿波野青畝

 秋は水の美しい季節である。透明度を増した川、あるいは鏡のように周囲の景色を映す湖など、それぞれに美しさを湛えているが、これは金閣寺が映っている池の水である。ただし「映る」のではなく、「さし」といったところに注目する。写生の重要性を説いた作者だが、俳句の写生とはものを見るだけでなく、言葉の発見に支えられていることを示している。

(『国原』)季語=水澄む(秋)



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地貌


▼単行本・ 句集

地貌/じぼう


時田幻椏句集

[ときたげんあ(1948〜)]
定価 本体2667円+税=2800円
装丁・君嶋真理子
序・金子兜太
跋・田村和寿・押切寛子・山本素竹
4/6判上製函装
216頁 
2008.09.28刊行

ISBN978-4-89402-0069-3 C0092 \2667E

◆第二句集
序に代えて・金子兜太

青揚羽樹下草上の羽一枚

 青揚羽の一枚の羽を樹下の草の上に見出して、傷み、あるいは悼みの情を伝えようとしたものだが、それだけなら普通作に終る。普通を超えて美の感銘を誘うのは、出会いの具体的な景を、想像力もろとも、喩を宿した映像としての景に仕上げたことによる。

◇自選一〇句
青揚羽樹下草上の羽一枚
乳房や真白く遠き冬の月
鏡片のまだ光吸ふ原爆忌
うたたねや魚になつて登高す
こんなにも世に鋭利なるつばめ
マシュマロの食感ががんぼの感
芽吹く前その骨格を覚えおく
建築を業とし蜘蛛の網掃ひえず
青梅雨や樹下は白雨となりにり
煤逃げの常なる考や窓をふく


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水無月祓


▼単行本・ 句集

水無月祓/みなづきはらえ


高野美智子句集

[たかのみちこ(1924〜)「泉」同人]
定価 本体2476円+税=2600円
装丁・君嶋真理子
序・綾部仁喜
4/6判上製カバー装
188頁 
2008.09.09刊行

ISBN978-4-7814-0064-8 C0092 \2476E

◆第一句集
本書の句の特徴はよく抑制の利いているところにある。そのためにかえって感動が沈静し、
より深く純化していることにわたくしは注目する。

(綾部仁喜)

◇綾部仁喜抄出
行きどころなき漉舟の波がしら
次の田に滑り込んだる蓮根掘
長すぎるものを咥へて春鴉
瀧口の放り上げたる水の束
人は地に還りて鮎は下りたる
秋天を仰ぎて用の一つあり
灯ともしてよりの雛でありにけり
降り抜けし空の水無月祓かな
その下の乾いてゐたる雪を掻く
膝崩しゐたるこころや暮遅し

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極楽とんぼのバラード


▼単行本・ 詩集

極楽とんぼのバラード/ごくらくとんぼのバラード


小笠原眞詩集

[おがさわらまこと(1956〜)]
定価 本体2000円+税=2100円
装丁・君嶋真理子
菊判変型並製ソフトカバー
104頁 
2008.09.01刊行


ISBN978-4-7814-0066-2 C0092 \2000E

◆第四詩集
一連四行のバラッド形式でつづる人生の味。

内容的には、極楽とんぼの極私的想い出話に終始した訳であるが、我ながらなんとお気楽な人生を歩んできたのだろうかと唖然としてしまう。又如何に多くの人々との係わり合いで生きてきたのか、なんと多くの幸せな出会いがあったのか、その方々に遅ればせながら感謝申し上げる次第である。

(あとがき)

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流水


▼単行本・ 句集

流水/りゅうすい


守屋和子句集

[もりやかずこ「嵯峨野」同人]
定価 本体2667円+税=2800円
装丁・君嶋真理子
序・阪田昭風
4/6判上製カバー装
218頁 
2008.09.01刊行


ISBN978-4-7814-0076-1 C0092 \2667E

◆第二句集
第一句集『行雲』に呼応する本集も、一点の執着なく物に応じ事に従って「行雲流水」まことに自在である。

春風や子牛の耳に番号札

に見られるごとく、彫琢された作品はどれも豊潤で、かなしびに満ち仏心が匂っている。

阪田昭風

自選十五句より
三月堂坐せば淑気のおのづから
あたたかや卒寿の母の受答へ
春風や子牛の耳に番号札
伎楽面みな大きくて時鳥
野宮の梅雨の湿りを歩みけり
石橋を渡り蛍に近づきぬ
大湯屋の地べたに蛍光りをり
仏にも暑さを問うてゐたりけり
宝物並べる如く梅を干す
大仏に白露の月の大きかり


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男坐り


▼単行本・ 句集

男坐り/おとこずわり


横井 遥句集

[よこいはるか(1943〜)「鴻」同人]
定価 本体2476円+税=2600円
装丁・後藤兼志
序・増成栗人
4/6判上製カバー装
188頁 
2008.09.15刊行


ISBN978-4-7814-0079-2 C0092 \2476E

◆第一句集
「二十人二十一脚天高し」遥俳句には一点の暗がりもない。これこそ横井遥という作家の天性の明るさであり、人としてのおおらかさなのであろう。自分なりのデフォルメで、ぬくもりという明るさに転換させてゆく。私は第一回「鴻」新人賞に横井遥さんを推すに何の躊躇もなかった。

(増成栗人)

◇作品紹介
平凡な乳房がふたつ夕桜
高層のどの階よりのしやぼん玉
つくつくし自分の字にて荷の届く
俳人のしきりに亀を鳴かせけり
針穴の向うとこちら四月馬鹿
マニキュアを吹いて乾かす三鬼の忌
夏雲や動かぬ岩を押してみる
遊船に灯を入れ男座りかな
蝉声につつまれて蝉逝きにけり
猫が猫またいで冬のあたたかし

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チュチュ


▼単行本・ 句集

チュチュ/ちゅちゅ


水谷由美子句集

[みずたにゆみこ(1941〜)「青山」同人]
定価 本体2476円+税=2600円
装丁・君嶋真理子
序・山崎ひさを
跋・小宮山政子
4/6判上製カバー装
208頁 
2008.08.29刊行


ISBN978-4-7814-0052-5 C0092 \2476E

◆第一句集
「少女らの楽屋にケーキ春浅し」句集の題名には、幾つかの候補の中から迷わず「チュチュ」を選んだ。集中随処に見る通り、バレリーナの長女郁余さんに因んでの命名である。

(山崎ひさを)

◇作品紹介
白鳥になりたき子らの初稽古
入学式前夜乳歯の抜けにけり
息子の家見えて鶯餅を買ふ
庭ぢゆうに雨降る音の涼しかり
布袋草入れて金魚をまだ入れず
珊瑚礁に遊びし水着洗ひけり
羅に風の張りつくデッキかな
九月の海青年ひとり船洗ふ
子を連れて賄の来る秋祭
みづうみの端の見えをり鱧料理

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つめた貝


▼精鋭俳句叢書serie de la neige・ 句集

つめた貝/つめたかい


長嶺千晶句集

[ながみねちあき(1959〜) 「ににん」同人]
定価 本体2400円+税=2520円
装丁・君嶋真理子
栞・小川軽舟
4/6判並製小口折表紙グラシン巻き
168頁 
2008.09.09刊行


ISBN978-4-7814-0051-8 C0092 \2475E

◆精鋭俳句叢書serie de la neige
長嶺さんは日常生活の中で無理に背伸びをすることもなく、その細部に丁寧に詩を見出していく。その姿勢が私は好きだ。

(栞・小川軽舟)

◇自選十五句から
蝌蚪過ぎるひとかたまりの蝌蚪のうへ
涼しさや香炉ひとつが違ひ棚
浮かび合ふことの愉しき冷し瓜
忘られて金魚は部屋に生きてをり
立ちしまま化粧ひて朝の涼しさよ
階段に鉄の隙間の薄暑かな
古今集ひらけば夜々に鳴く鶉
クレソンのあをあをと冬来りけり
午過ぎの寒き灯となる魚市場
水飲みて言はざる一語夜の雪

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沈黙


▼単行本・ 句集

沈黙/ちんもく


綾部仁喜句集

[あやべじんき 「泉」主宰]
定価 本体2475円+税=2600円
装丁・君嶋真理子
4/6判並製ソフトカバー
192頁 
2008.09.04刊行


ISBN978-4-7814-0051-8 C0092 \2475E

◆第四句集
高齢に至って閉塞的な病境涯を得たが、不思議にかえって日々新たなるものがある。

(著者)

◇自選一〇句
一卓にひと隔てたる夜の秋
たくさんの音沈みゐる冬の水
三月の咽切つて雲軽くせり
一本の芒の水を替へにけり
死んでも怒るなと妻言ふ雪無尽
夏木よりすこし遅れて眠り来る
沈黙のたとへば風の吾亦紅
冬泉命終に声ありとせば
人見えて後ろ姿や春の坂
円き木に細長き木に卒業歌

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物語山


▼単行本・ 句集

物語山/ものがたりやま


本郷をさむ

[ほんごうおさむ(1947〜)]
定価 本体2190円+税=2300円
装丁・君嶋真理子
序・山田みづえ
4/6判並製ソフトカバー
188頁 
2008.08.01刊行


ISBN978-4-7814-0053-2 C0092 \2190E

◆最後の木語賞作家
豊かなうたの世界からこの現世へもう一人の男性の創業を送りだすことは、やはりほんとに嬉しいことであると思いつつこの草稿を眺めている処である。

(山田みづえ)

◇作品紹介
大滝の惑ふべきものなかりけり
アイゼンにカチリとあたる春の石
大牡丹身も世もあらず潰えけり
顔(かんばせ)を隠しおほせし踊りかな
滞りなく裸木にかへりけり
物語山返信のやうに朴落葉
高遠大根敵のごとく擂り卸す
仏法僧聴きたる眼澄みにけり
紅葉峪カルメンの裾翻す
魴ボウ(魚+弗)のほつつき歩く春の海

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薔薇枕


▼単行本・ 句集

薔薇枕/ばらまくら


森 敏子句集

[もりとしこ(1935〜)「白桃」同人]
定価 本体2571円+税=2700円
装丁・森 健
序・伊藤通明
4/6判フランス装
236頁 
2008.08.01刊行


ISBN978-4-7814-0072-3 C0092 \2571E

◆第一句集
『薔薇枕』は、森敏子さんの第一句集である。私の仲間のなかでも際立つ特色をもつ俳人で、その作句の初めから知っている私にとってもあまり例のない出発であった。(略)このような作り手は自分の作品の中に溺れてしまうほど作ればいいのである。勘の良さは抜群で、作句を重ねるうちに、俳句表現の独自性を感得していった。

(伊藤通明)

◇作品紹介
汝のもとへ桜の中をぬけて来し
青ざめし花や月夜の女人講
惑ひなどなくて椿の落ちざまは
抱擁を解くや牡丹のゆるびたる
黙約のごとくに蛍手渡さる
鎌倉は男日和や梅白く
青嵐父は戦艦比叡の士
菰巻きの松や刺客のごと立てり
抱合の神にかなかなしぐれかな
光悦忌乾きのゆるき奈良の墨

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新刊

●句集
『薔薇枕』 森敏子句集
『物語山』 本郷をさむ句集
『沈黙』 綾部仁喜句集
『つめた貝』 長嶺千晶句集
『チュチュ』 水谷由美子句!
『男坐り』 横井 遥句集
『流水』 守屋和子句集
『水無月祓』 高野美智子句集
『地貌』 時田幻椏句集
『蝶生る』 辻内京子句集
『此君』 日原 傳句集
『草に花』 川島 葵句集
『熱気球』 中島砂穂句集
『清拭』 高橋白崔句集
『朝餐』 安藤恭子句集
『夜明』 しなだしん句集 new!

●歌集

●詩集
『極楽とんぼのバラード』 小笠原眞詩集
『告知』 境野 勝詩集 new!

●入門書
『色の一句』 片山由美子句集
『芭蕉の一句』 高柳克弘句集

●エッセイ・評論・その他

過去の新刊
>>> 2008年7月・8月の新刊
>>> 2008年5月・6月の新刊
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>>> 2008年1月・2月の新刊
>>> 2007年11月・12月の新刊
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