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新刊紹介

2008年5月・6月新刊
 
浮木の亀


▼単行本・ 句集

浮木の亀/うききのかめ


大林信爾句集

[おおばやししんじ(1934〜)]
定価 本体2571円+税=2700円
帯十句抄出/柿本多映
装丁・君嶋真理子
4/6判フランス装
206頁 
2008.06.28刊行

ISBN978-4-7814-0029-7 C0092 \2571E

◆ 第二句集
「地の塩もしとどに濡れてしばれおり」
この句集を通底するものは、ひとりの思索する人間の姿である。
自然を見つめ、自己を見つめ、現代の思想や世界を見つめている。

(帯)


◇ 柿本多映抄出
観音の悲しみならん蓬の木
布袋草おのが浮力に流される
田水張るたらちねの母映すべく
虎杖の酸っぱき日々と思いけり
渇仰や夏野は白い石を抱き
閃光を見たる尖塔蝉時雨
深層に蒼い薄がゆれている
火の河と水の河ある曝書かな
年ごとに二月の山に近くなる
未来人橙ほどのめでたさを

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椅子を買ふ


▼単行本・ 句集

椅子を買ふ/いすをかう


藤原 紅句集

[ふじわらこう(1944〜)]
定価 本体2571円+税=2700円
装丁・君嶋真理子
4/6判変型上製カバー装(117*188)
218頁 
2008.06.22刊行

ISBN978-4-7814-0032-7 C0092 \2571E

◆ 第一句集
冬・眉を引く/夏・しあはせのかたち/秋・刻つもる/春・螺旋階段
「月刊ヘップバーン」終刊まで所属した著者の、シンプルで豊かな第一句集。


◇夏の句より
聖五月つぎの駅まで歩かうか
その昔文士のやしき薔薇の門
朝の虹仔犬くれるといふ知らせ
しあはせのかたちたとへばさくらんぼ
返事ためらふ白百合の強き香に
ひたすらにきぬさやをもぎ無口なり
落蝉のかろきを拾ふ夕ごころ
嫁ぐ日もじぶんで決めて立葵
紙魚喰ひの阿部一族を捨てにけり
ひまはりの倒れてだれもゐない昼

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冬夕焼


▼精鋭俳句叢書serie de la lune
・ 句集

冬夕焼/ふゆゆうやけ


金子敦句集

[かねこあつし「新樹」同人(1959〜)]
定価 本体2400円+税=2520円
栞・鈴木茂雄
装丁・君嶋真理子
4/6判並製カバー装
200頁 
2008.06.10刊行

ISBN978-4-7814-0036-5 C0092 \2400E

◆ 精鋭俳句叢書serie de la lune
吸飲みに残りし水や冬夕焼

2006年1月、金子さんのご母堂が逝去された。この作品はその遺品のひとつを詠んだものである。巧みな心象風景の句であるが、ここには小手先の技巧は微塵も感じられない。こころの奥底から出たはだかの言葉だからである。

(栞・鈴木茂雄)


◇自選十五句から
江ノ電が来るよ木の芽を揺らしつつ
鳥雲に入るや微糖の缶珈琲
囀りの一樹祈りの木となりぬ
少年の吾に呼ばるる草いきれ
夏休みマーブルチョコの赤青黄
貝殻を洗つてゆきし大夕立
永遠に消えない虹を分かちあふ
大いなる花野の果ての無人駅
いま母を詠まむ風花消えぬ間に
しみじみと昭和の匂ふ炬燵かな

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春雪


▼単行本・句集

春雪/しゅんせつ


岩岡中正句集

[いわおかなかまさ「ホトトギス」同人、「阿蘇」主宰]
定価 本体2381円+税=2500円
序句・稲畑汀子 序・深見けん二
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
240頁 
2008.05.30刊行

ISBN978-4-7814-0026-6 C0092 \2381E

◆ 第一句集
かねてから、その刊行を待ち望んでいた、岩岡中正さんの句集が、いよいよ出版されることになった。まとまった句を読み通した読後感は、一口で云えば、すがすがしさである。日頃厚誼をいただいていて感じる、真っ当にものに取り組まれる男らしさと、その裏にひそむ含羞の作者が見事に俳句に結実している。それはこの句集の前の約三十年の俳歴の中で積みあげられた俳句の技としての修練と、豊かな人生の積み重ねであろう。

(序・深見けん二)



◇自選十句から
春の海かく碧ければ殉教す
一年が一と日のやうに過ぎて花
緑蔭に聖者のごとくをられけり
青嵐大樹はいつも仰がるる
今生を滝と生まれて落つるかな
握手するやうに泉に手をひたす
我に吹き我より吹いてゐる野分
ひそかなるものに花野と信仰と
一塊の火の山として露けしや
山枯れてみな青空にしたがへり

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筑波嶺


▼単行本・句集

筑波嶺/つくばね


福島百合子句集

[ふくしまゆりこ「若葉」同人]
定価 本体2667円+税=2800円
序・鈴木貞雄 跋・谷口忠男
装丁・君嶋真理子
4/6判上製函装
228頁 
2008.06.04刊行

ISBN978-4-89402-0028-0 C0092 \2476E

◆ 第一句集
畦塗の踏み固めをる鼠穴
作者の住まわれている土地は、筑波山の南、牛久沼の北に当たり、周りは田園風景が広がっている。その作品に風土が登場するのは当然のことであろう。作業の途中で畦に鼠穴を見つけた農夫が、足で踏みかためてふさいでいる光景が描かれている。こうした句は、実景を目にしないと詠めないものだ。

(鈴木貞雄)



◇自選十句から
筑波嶺の容ち定かに恵方道
十方を一瞬暗め初日の出
平首をたたき誉めをり騎馬始
幹裂けてゐて確かなる芽吹きかな
音もなく発ちゆく渡舟行々子
最上川名もなき滝も一と眺め
新しき句碑に華やぐ稚児あやめ
巴塚より木曾殿へ雪螢
小さきは小さく鎧ひ冬芽かな

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雪間草


▼単行本・句集

雪間草/ゆきまぐさ


鈴木伊都子句集

[すずきいとこ「狩」同人]
定価 本体2476円+税=2600円
鑑賞四句/帯・鷹羽狩行
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
184頁 
2008.06.22刊行

ISBN978-4-89402-0030-3 C0092 \2476E

◆ 第二句集
よい方へものを考へ返り花
何が起こっても、つねに「よい方へものを考へ」ようとする。これは鈴木伊都子さんの生き方そのものであろう。もしかすると返り花も「よい方へものを考へ」て咲いているのかもしれない。

(鷹羽狩行)



◇鷹羽狩行抽出
相槌をあいまいに打ち春炬燵
首細くなりし思ひの籠枕
そのうちに背を向けられて竹婦人
神の決め給ひし方へ蓮の実飛ぶ
しばらくはひとかたまりの稚鮎かな
よい方へものを考へ返り花
春宵の少しめくれて鏡掛
まだ着かぬ一行のため榾を足す
こゑもたぬもの美しき走馬燈
草市や抱へしものに風生まれ

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束ね髪


▼単行本・句集

束ね髪/たばねがみ


高橋あや子句集

[たかはしあやこ「にれ」「澪」同人(1950〜)]
定価 本体2476円+税=2600円
序・木村敏男 跋・椎名智惠子
祝文・荒巻義雄 題簽・椎名智惠子
題字・高橋宏 表紙絵・高橋伸
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
216頁 
2008.06.16刊行

ISBN978-4-89402-0023-5 C0092 \2476E

◆ 第一句集
「遠き日の恋は菫の揺るるほど」
「遠き日の恋」は、誰でもみな同じ思いであろうが、「菫の揺るるほど」と託した作者の思いが素晴らしい。(序文・木村敏男)

(序文・木村敏男)



◇(自選一〇句)
ふる里の菜畑は風の道しるべ
カプチーノいかが窓辺に春の鳥
還暦に架くる橋桁草おぼろ
蓮ひらく私の羽化のはじまる刻
虹立てり吾子へボーイズビアンビシャス
赤とんぼ指へ唇づけして秘密
新涼や翼つくろふ人力車
ゆつたりと銀河へ梳きし束ね髪
一日を合掌で閉ぢ豊の秋
白鳥来空どこまでもクリスタル

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虚吼句集


▼シリーズ・句集

虚吼句集/きょこうくしゅう


相島虚吼句集


[あいじまきょこう(1867-1935)]
定価 本体1200円+税=1260円
装丁・君嶋真理子
新書判並製
104頁 
2008.05.30刊行

ISBN978-4-7814-0042-6 C0092 \1200E

◆ 大阪の俳句・明治編 3
明治時代に関西俳壇の基礎を築き、活躍した作家の句集を紹介する、大阪俳句史研究会の活動の一環として『虚吼句集』(昭和七年一月九日発行)が編集刊行されることとなった。(略)『虚吼句集』の収録句数は、春・175、夏・254、秋・180、冬・149、新年・64、合計804句となっておりその中、本集に収録した句数は501句である。内訳は春・114、夏・172、秋・112、冬・77、新年・26となった。

(今井妙子・解説)



◇(夏の句より10句)
朔日の花売来るや初夏の雨
買ひ戻る荷馬の鞍や麦の秋
麦秋の泉州佐野の夕かな
満水の植田の中の庵かな
鮒捕りに入れば田の水湯の如し
金魚売編笠敷きて煙草かな
鮎堰くや一尾早瀬を矢の如く
古墳や植田に映る茨の花
紫陽花の大藪出来し玄関かな
桑の実や淡く冷たき雨の味

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燦々


▼単行本・句集

燦々/さんさん


北田桃代句集


[きただももよ「幡」同人(1931〜)]
定価 本体2476円+税=2600円
序・辻田克巳
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
212頁 
2008.06.10刊行

ISBN978-4-7814-0022-8 C0092 \2476E

◆ 第一句集
「そら豆の痕がそのまま莢にあり」この写実力。感動というけれど、作者を感動させた対象を、その当の作者がきっちり捉えて的確に描写できなければ、どうして他を感動させることができるだろうか。この隙のない緊密感は、故に読む者にしばしば大きな安心感を与えるといっていいだろう。

(辻田克巳)



◇自選一〇句
涸池の底の山河を歩む鳥
紅梅の空を赤子の眩しがる
来世などあればの話春氷
春暁の六根疎くなりゐたる
径に出て鉱泉宿の今年竹
白山の雪燦々と五月来る
冷し酒口中しんと通りたる
今生の今できること紫蘇を揉む
むかしほど蜜豆うまくなくなりし
鶏頭のぶ厚き鶏冠雄ならむ

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霜の橋


▼単行本・句集

霜の橋/しものはし


岡崎長良句集

[おかざきちょうりょう「鷹」同人]
定価 本体2857円+税=3000円
序/帯・小川軽舟
装丁・君嶋真理子
4/6判上製函入り総クロス装
202頁 
2008.05.24刊行

ISBN978-4-7814-0035-8 C0092 \2857E

◆ 第一句集
「木偶の首さげてゆくなり霜の橋」長良さんの俳句のいちばんの魅力は、その立ち姿が美しいことだ。といっても、巌のようにどっしり踏んばっているのではない。さながら能役者のように静かに橋掛かりを進み、すっと止って扇を上げる。そんな無重力の立ち姿である。

(小川軽舟)



◇『霜の橋』一〇句・・小川軽舟抄出
白山を指さすわらべ春祭
食堂へ稚児の入りたる遅日かな
雲白く谷川夏を急ぐなり
草引いて蟻の大国乱しけり
二の腕を見せて点しぬ走馬灯
沖に見し港に着きぬ秋の暮
狐火や記憶に兄の手をむ
飛火野の楠の大樹や七五三
年の夜の僧来て樞落しけり
琅(王干)の比良や汀の氷りそむ      


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柿たわわ


▼単行本・句集

柿たわわ/かきたわわ


新井三七二句集

[あらいみなじ「寒雷」同人(1941〜)]
定価 本体1905円+税=2000円
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
192頁 
2008.05.16刊行

ISBN978-4-7814-0025-9 C0092 \1905E

◆ 第五句集
「在りし日の故土めく此処も柿たわわ」柿は故郷のシンボルなどの他、句作時の動植物に接しているとまるで人間の心を宿し映している様子に見えてくる。その様を詩的に捉えた句が「詩情的心映句」。これからもその句に向って日々努力する心算である。

(あと書きより)



◇(自選一〇句)
秩父路は綿虫びより風も去り
在りし日の故土めく此処も柿たわわ
故父の居に入りて母かつ山笑ふ
故父母かも触るる青柿いま温き
未知の地も暫時ふるさと柿たわわ
いま亡師あふぐ句づくりテ花梨
今ここも木いな家守る柿たわわ
テレビ今「ハンカチ王子」拭く濁世
麥秋の車窓またしも異土も故土
故土と云ふ寄辺また此こ柿たわわ


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惜別


▼単行本・句集

惜別/せきべつ


清水基吉句集

[しみずもとよし「日矢」創刊・主宰(1918〜)]
定価 本体2467円+税=2600円
装丁・君嶋真理子
4/6判フランス装
114頁 
2008.05.25刊行

ISBN978-4-7814-0037-2 C0092 \2467E

◆ 最後の句集
孔子は人生の在りようは、詩によって感情を高め、礼を守って人と和し、音楽によって心を柔らぐことに尽きると考えていた。高齢化社会を迎えたわれわれが十七文字に楽しみ、仲間と和し、花の旅などに遊ぶことに孔子は賛成のようであって、それでこそ、仁者はいのちながしと言うわけだろう。

清水基吉(『俗中の真』より)



◇収録作品より
小便の出どころ寒し年を越す
去年今年耳遠くしてもの思ふ
福寿草病ひに強く愛に弱き
良寛さんも私ごときも冬ごもり
水鳥も離れて寝るは淋しいぞ
生身魂しつかりせよといはれても
問うて学ぶを学問といふ孔子祭
虫しぐれ草葉の蔭といふところ
足はよろよろ魚氷に上る頃とかや
ひよどりはゆやけの山へ帰りけり

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海と山の間


▼単行本・詩集

海と山の間/うみとやまのあいだ


井下和夫詩集

[いのしたかずお]
定価 本体1429円+税=1500円
装丁・君嶋真理子
B6判ペーパーバックスタイル
96頁 
2008.05.18刊行

ISBN978-4-7814-0033 C0092 \1429E

◆ 第二詩集
空の広さは
見上げる場所の広さのことだ と
市には市の空 
海には海の空


山よ

大きな山に
朝日が射している
その山にだけ
陽が当たっている
代赭色の山肌の所々が白い
初雪だ
山は雪化粧して
目の前に悠然と座っている
見ているぼくもゆったりした気持になり
大きな山が心の中に座った気がした

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改装標本


▼単行本・句集

海藻標本/かいそうひょうほん


佐藤文香句集

[さとうあやか]
定価 本体2000円+税=2100円
序・池田澄子
装丁・君嶋真理子
4/6判並製ソフトカバー
128頁 
2008.06.03刊行

ISBN978-4-7814-0020-4 C0092 \2000E

◆ 第一句集
序・池田澄子
俳句甲子園で最優秀賞を得た、いわば記念碑的な「夕立の一粒源氏物語」を、文香はこの第一句集を編む時点で捨てた。見事な根性である。そして確かに句集の作はその句を超えている。この健気を以て更に、俳句形式を悦ばせる俳人になっていくだろう。大変なライバルの出現である。


言葉そのものへの興味、言葉をつかうことへの興味は、
俳句という形式の中で増幅する。
語の持つ音や文字の形のおもしろさ、
言葉の負う背景、言葉同士のふれあいに気づき、感じる。

私は俳句を選んだ。
つかう言葉のひとつひとつを思い遣ることができる。

(あとがき)


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ぺーアーウェイト


▼単行本・エッセイ集

ぺーパーウェイト/ぺーぱーうえいと


松本秀一エッセイ集

[まつもとひでかず]
定価 本体2571円+税=2700円
著者による挿画四葉入り
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
168+8頁 
2008.05.24刊行

ISBN978-4-7814-0004 C0092 \2571E

◆ 暮しをつむぐエッセイ
土の匂い、人の手のぬくもり、
なつかしい眼差しが呼びとめるもの…
暮しをつむぐエッセイ
著書による挿画四葉入り


玄関の戸を内側から開けると、一人の小柄な若者が立っていた。今風のコートを着込んでいる。
――ー旦那さん、林檎いりませんか。
――………。
――宮城からやってきました。林檎は二種類あります。一つは梨と掛け合わせたやつ、もう一つは蜜の入った林檎。赤い林檎です。
きっと、何軒もよそさまの玄関口に立つうちにおのずと身につけたのだろう。息せき切って説明しようとするリズムに、爽やかな明るさがあった。映画「男はつらいよ」のフーテンの寅さんのものとは違うが、これも口上だなあ、と聞いていた。最後に彼はこう締めくくった。
――旦那さん、この林檎、涙がでるほど美味しいです。
この「旦那さん」にも参ったが、「涙がでるほど」には、思わず笑ってしまった。若者は真顔である。
――なかなか、うまいこというね。
と、いうと、彼も静かに笑った。

(「冬林檎」より)


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過客


▼単行本・句集

過客/かかく


廣居信一句集

[ひろいしんいち「泉」同人(1919〜)]
定価 本体2476円+税=2600円
帯・綾部仁喜
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
224頁 
2008.05.24刊行

ISBN978-4-7814-0012-9 C0092 \2476E

◆ 第二句
齢重ねていよいよ人生過客の思いが深い。ゆかりの地米沢京都への思慕を点じつつ、春秋旦暮の興に遊ぶ悠揚たる一集がここに在る。

(綾部仁喜)


●綾部仁喜抄出
夕鵙やはるかなるものかへりくる
みちのくのお城の町の夜店かな
落葉焚く妻美しと遠く見る
盃にほどきてゐたる懐手
師の声の風の嵯峨野に着ぶくれて
降り逃げの雨とも云ひて川床料理
遠き日へ誘はれゐる枯野道
捲き上げて細き簾や路地の秋
野火止の土手いつぱいの諸葛菜
秋色や机に凭れば京の夢


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冬の虹


▼単行本・句集

冬の虹/ふゆのにじ


村井田 功句集

[むらいだいさお「若葉」同人(1928〜)]
定価 本体2476円+税=2600円
序・鈴木貞雄
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
224頁 
2008.05.18刊行

ISBN978-4-7814-0021-1 C0092 \2476E

◆ 第一句
「碧落になかばは消えし冬の虹」はつかな色の冬虹が青空に半ば消えている姿を詠んでいるが、「碧落」という言葉を用いることで、青空の厚みが表現され、同時に、冬虹の儚さも表現された。

(鈴木貞雄)


●自選十句
吹雪きをる花のゆく手の花吹雪
影ほどは揺れのなかりし干若布
戦ぐもの一切見えず野火果てし
近づきてなほ遠き色合歓の花
碧落になかばは消えし冬の虹
見えて来て滝の高さの音となる
ヴェネツィアングラス真赤に夏隣
春深き加賀友禅の鏡掛け
花散るや僧の説きをる吉野朝
源氏未だ関屋の章や卒業す

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白日傘


▼単行本・句集

白日傘/しろひがさ


石崎 浄句集

[いしざききよ「風土」同人]
定価 本体2476円+税=2600円
序・神蔵 器
跋・小林輝子
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
242頁 
2008.05.12刊行

ISBN978-4-7814-0008-2 C0092 \2476E

◆ 第一句
森羅万象すべてのものにいのちがあり、またいのちのないものにそこに存在する意義がある。相手のいのちは抱きしめればいい、そしてそこに人間のいのちというものは、どうしたらいちばん輝くか、十七文字の中で確かめ表わすのが俳句であり浄さんの生きる生活の匂いである。

(神蔵 器)


●自選十句
曲り家の藁千貫になづな咲く
花筏擬宝珠橋をくぐり抜け
梅雨月夜森の匂ひの髪ほどく
老鶯の声濡らすなり藩祖廟
大寺に吸ひ込まれゆく白日傘
夏川にゴッホの跳ね橋影うつす
庭師来て盆路の空を剪り拡ぐ
式部の実色に更なる位持つ
名を変へて夜ごと逢ふ月細りけり
雪の堂女人独りが釈迦と坐す

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新刊

●句集
『白日傘』石崎浄句集
『冬の虹』村井田功句集
『過客』廣居信一句集
『惜別』清水基吉句集
『海藻標本』佐藤文香句集
『霜の橋』岡崎長良句集
『柿たわわ』新井三七二句集
『燦々』北田桃代句集
『虚吼句集』相島虚吼句集
『束ね髪』高橋あや子句集
『雪間草』鈴木伊都子句集
『筑波嶺』福島百合子句集
『春雪』岩岡中正句集
『冬夕焼』金子 敦句集
『椅子を買ふ』藤原 紅句集
『浮木の亀』大林信爾句集

●歌集

●詩集
『海と山の間』井下和夫詩集

●入門書

●エッセイ・評論・その他
『ぺーパーウェイト』松本秀一エッセイ集

過去の新刊
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